無料ブログはココログ

イーココロ

« 『紙芝居屋さん』について | トップページ | 漫画家の弟子 序言 »

2006年9月13日 (水)

アレン・セイについて

アレン・セイについて

 アレン・セイは1937年に日本の横浜で生まれた。父は韓国人の孤児、上海のイギリス人家庭に育てられた。母は、日系アメリカ人でカリフォルニアのオークランド生まれ、セイが8歳の時に二人は離婚した。 セイは不幸にも父と、姉は母と生きることになり家族は分裂する。12歳の時、セイは母方の祖母の所へ送られた。祖母は娘の結婚に賛成ではなかった。彼と祖母の関係はそのようなものだったので、結局彼は学校よりアパートで一人きりで暮らすことになる。この時にセイは大変尊敬していたマンガ家、野呂新平の見習いになる。これが彼の真剣な、美術の修行の始まりとなる。このセイの生涯にとって重大な時期は『マンガ家の弟子』(1979)に描かれている。
 16歳の時、父は合衆国へ行くことを決めた。父は新しい家族を持ち、セイにもしよければ彼らと一緒に行こうと誘った。英語の知識はなく、冒険心からセイはカリフォルニアに旅立った。がっかりしたことに、彼は父の家のあるロングビーチから40マイルも離れたカリフォルニア、グレンドーラのハーディング陸軍学校に入学させられた。 陸軍学校ただ一人の非白人生徒(そしてカリフォルニアの戦後の半分日本人、半分韓国人)としてセイは案の定の扱いを受けた。ハーディングでの不幸な一年の後、部屋での喫煙で追い出され、帰る所がないので、アズーサ市へ歩き、シトラスユニオン高校に入った。そこでは美術を続けることを励まされた。高校の後は彼の『看板描き』(2000)にほのめかされている。
 1960年代はじめ、セイは北カリフォルニアに移る。そこで、彼はカリフォルニア大学バークレー校で建築学の学生になる。 彼の学習は軍の仕事で邪魔された。セイの学業による徴兵猶予は専門上のせいで取り消され、抜擢されたのだ。 彼はドイツで二年間勤めた。そこでどういうわけか星条旗紙(米軍新聞)の写真担当になった。カリフォルに戻って、彼は経験を生かして商業写真家となる。セイと働いたアート・ディレクターやデザイナーは撮影をはじめる前のアイデアのあらましを描く彼の才能を印象づけられた。それはセイがフリーランスの挿絵画家になることを励ました。彼の最初の本『スミス博士のサファリ』は1972年に出版された。
 次の十年間、セイは写真のかたわら執筆と挿絵を続けた。1979年セイは今までで唯一の小説『マンガ家の弟子』を出した。 1984年彼はイナ・フリードマンの『いかに両親はたべることを学んだか』の挿絵を描くが、色の再現でがっかりし、彼は挿絵をすっかりやめる決心をした。
 ウォルター・ロレインはホウトン・ミフリン社の編集者だが、セイが最終的にはライフワークとして、りっぱな絵本作家になれるだろうと確信していた。1988年、ロレインはセイをディアナ・スナイダーが書いた日本の昔話『三年寝太郎』の仕事にさそって、最高の色彩を可能な限り再現することを約束した。1988年に出されると、『三年寝太郎」はコルデコット賞とボストングローブホーンブック賞を勝ち取った。同年、アレン・セイは写真業を完全にやめ、子どもの本の作者に専念することを決めた。
 『鶴の木』『おじいさんの旅』(1994年コルデコット賞受賞)『ミルク紅茶』そして『看板描き』は彼の画業のなかで自伝的な作品だ。彼の人生と追憶に加えて、セイは広い範囲の主題で本を描いているのだが、それは独りのよそ者が社会的文化的な困難に直面し問われ、それに打ち勝つという繰り返されるテーマである。
 セイのもっとも最近の本は、『勇者たちの家』『アリスのための音楽』であるが、第二次世界大戦中の日系人収容についてのもので、2000年のロスアンジェルスの日米国立博物館での彼の仕事の回顧展に刺激されてのものだった。その回顧展は彼のスケッチブックと伝記的作品に沿って、彼の絵が55点展示されたのであった。
マリア・クォン カリフォルニア、ロスアンゼルス 国立日米博物館 2005年5月
(訳 堀田穣)
— Written by Maria Kwong, Japanese American National Museum, Los Angeles, California, May 2005
http://www.houghtonmifflinbooks.com/booksellers/press_release/kamishibai/

« 『紙芝居屋さん』について | トップページ | 漫画家の弟子 序言 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/155862/3425351

この記事へのトラックバック一覧です: アレン・セイについて:

« 『紙芝居屋さん』について | トップページ | 漫画家の弟子 序言 »

最近のコメント

2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31